artscapeレビュー

山野千里 展:ジャングル短編

2013年01月15日号

会期:2012/12/01~2012/12/22

ARTCOURT Gallery[大阪府]

陶芸作家の山野は、動物と人間が等価の立場で戯れている情景や、動物の姿をイマジネーション豊かに変容させた作品で知られている。また、絵画でも同様の主題で作品を発表している。本展では、絵画3点を含む21点の新作を発表。「ジャングル短編」という不思議なタイトルには、既存の価値観が通じない世界で起こるさまざまな物語を意味しているが、絶妙に作品の世界観と一致したネーミングだと思う。技術的にはテラコッタや透かし彫りに挑戦しているのが新しく、歌川国芳やアルチンボルドの寄せ絵を思わせる、頓智の効いた作品があったのも新境地を感じさせた。

2012/12/01(土)(小吹隆文)

2013年01月15日号の
artscapeレビュー