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歴史的再編コンペティション2012~第1回「学生のまち・金沢」設計グランプリ~公開審査

2013年01月15日号

会期:2012/12/16

金沢学のまち市民交流館、金沢21世紀美術館[石川県]

金沢市が学生の活動をサポートする取り組みの一環で生まれた「歴史的空間再編コンペティション2012」の審査に参加した。システムは卒計日本一と似ているが、歴史というテーマの設定に金沢らしさを出している。新しくオープンした町家を改修した、金沢学生のまち市民交流館で一次審査。続いて、ファイナルの10人は金沢21世紀美術館でプレゼンテーションを行なう。全体的にまだ歴史が記号として使われる感があり、歴史ならではの掘り下げは足りなかった。最後に残った案はどれも一長一短があり、結果は地元の金沢工大の学生が1位になったが、筆者と妹島和世は別案を推し、これらが2位、3位になる。個人的に印象に残ったのは、建築よりも、鎌倉の切通し周辺に小道をつくり、新しくつないだ風景を生む提案(京都工繊・大竹絢子)だった。

2012/12/16(日)(五十嵐太郎)

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