2021年11月15日号
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artscapeレビュー

溶ける魚 つづきの現実

2013年01月15日号

京都精華大学ギャラリーフロール、Gallery PARC[京都府]

会期:2013/01/10~2013/01/26(Gallery PARCは01/20まで)
アンドレ・ブルトンが1920年代に発表した小説『溶ける魚』をタイトルに冠した本展。しかし、10人+1組の出品作家にシュルレアリストはいない。シュルレアリスムが誕生した時代背景──第一次大戦や経済恐慌で疲弊した20世紀初頭のヨーロッパ──と、東日本大震災、原発事故、長引く経済不況、不毛な政治などの状況を抱える現代の日本に奇妙な一致を感じた作家たちが、今自分たちがなすべきことを真摯に考え、『溶ける魚』以後(=つづきの現実)を提示する場として、自らの仕事を世に問うのだ。いささかものものしい説明になってしまったが、本展は近年京都で活発化しつつある若手美術家たちの自主企画のひとつとして注目に値する。衣川泰典、高木智広、荒木由香里、花岡伸宏、林勇気など、作家のラインアップにも期待が持てる。

2012/12/20(木)(小吹隆文)

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