artscapeレビュー

キュレーターからのメッセージ2012──現代絵画のいま

2013年01月15日号

会期:2012/10/27~2012/12/24

兵庫県立美術館[兵庫県]

今日の美術で絵画という表現はどのように展開し、どのような方向に進んでいるのか。今展は中堅から新人までの14人の表現から絵画の「いま」を見つめようという展覧会。出品作家は石田尚志、居城純子、大崎のぶゆき、奈良美智、二艘木洋行、野村和弘、彦坂敏昭、平町公、法貴信也、丸山直文、三宅砂織、横内賢太郎、和田真由子、渡辺聡。展示室の入口近くに設置された、コンピュータのお絵描きソフトで描いた二艘木洋行の作品からはじまっていた。透明シートに描いたイメージを印画紙に焼き付ける三宅砂織、半透明のシートに半透明メディウムを重ねたり2層にしてドローイングする和田真由子、描いたものをコマ撮りし映像作品に仕上げる石田尚志など、今展では全体に、支持体や素材、手法などが従来の絵画という枠組みを超えて、他のジャンルとの境界にあると言える作品が多く紹介されていた。現代の絵画のあり方を示唆するというものならばやや物足りなさも感じたが、多様な手法と表現、それぞれの面白みはよく伝わる内容の見応えだった。

2012/12/23(日)(酒井千穂)

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