artscapeレビュー

ゲントから横浜へ──アートは街に介入する

2013年01月15日号

会期:2012/12/23

さくらWORKS<関内>[神奈川県]

関内の空きビルの1フロアにオープンした「さくらワークス」のオープニング記念として企画された、現代美術のドキュメンタリスト安斎重男によるレクチャー。前半は、1986年にベルギー・ゲント市内の民家を借りて作品を展示した伝説の展覧会「シャンブル・ダミ」展を紹介し、後半は観客からゲストを選んで横浜に話をつなげていく。安斎さんはデジタル対応してないので、久々にスライド映写機を用いてのレクチャーとなった。ぼくは4半世紀前(1987)にも安斎さんの「シャンブル・ダミ」とドクメンタ8とミュンスター彫刻プロジェクトを巡るスライドレクチャーを聞いたことがあるので、とてもなつかしい。2012年にはやはりゲント市の街を使って「トラック」展が開かれたが、これを企画したのが「シャンブル・ダミ」を高校生のときに体験し、アートに目覚めてゲントの美術館に就職したというキュレーターだ。時代が一巡したなあ。

2012/12/23(日)(村田真)

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