2020年07月01日号
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artscapeレビュー

シェル美術賞展2013

2014年01月15日号

会期:2013/12/11~2013/12/23

国立新美術館[東京都]

698人による1,001点の応募作品から、7点の受賞作品を含む52点の絵画を展示。併せてこれまでの受賞者のなかから4作家を選び、「シェル美術賞アーティスト・セレクション」として数点ずつ紹介している。入選したとはいえ、大半は技術的に未熟かどこかで見たことあるような絵ばかりだが、いくつか興味をそそる作品もあった。吉村正美《死角》はブロック塀を背景に、絡み合ったグラフィティのような線描から逃れる後頭部に顔のついた少年を描いたもの。と説明してもわからないだろうけど、そのわけのわからなさと稚拙な描写がうまく噛み合っている。田中駿《なにも聞こえない》は、まるでヨゼフ・ボイスの脂肪作品のような黄色い物体がへばりついた部屋のコーナーを描いたもの。ぶっきらぼうで謎めいた主題もいいが、アクリル板に油彩というちょっと変わった形式にも注目したい。山橋美穂《ポートレート》は、青い画面から大きな顔を浮かび上がらせ、上下に白色で文章を記したもの。タイトルに「セルフ」はついてないが、文章込みで一種の自画像と見ることができるかもしれない。「セレクション」のほうでは、ピンヒールやペディキュアを施した足を描いた松川朋奈のフォトリアリズム絵画が出色。タイトルも最大1200字ほどの告白文になっていて、これはもう絵がどうのこうのというより、足フェチ全開の別世界。

2013/12/20(金)(村田真)

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