2020年07月01日号
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artscapeレビュー

テート・モダン

2014年01月15日号

[イギリス・ロンドン]

テート・モダンへ。ヘルツォーク&ド・ムーロンによる増築工事もだいぶ進んでいた(論議があって、当初のデザインは変更されている)。それにしても、単体で現代建築が登場するのではなく、フォスターによるミレニアムブリッジによって、対岸のセントポールとつなぎ、都市計画、土木が連動できるのはうらやましい。常設は、テーマ別の展示で知られるが、前室のモネからリヒターによるケージ連作の部屋、あるいはターナーの絵からロスコのシーグラム壁画の部屋といった作品のシークエンスは鮮やかである。日本人の現代美術では、もの派(アルテ・ポーヴェラの部屋で)のほか、実験工房と、石内都の部屋を確認することができた。企画展のミラ・シェンデルが素晴らしい。抽象絵画をちょっとやわらかく、かわいくした感じで出発した後、文字を活用した作品、紙や半透明の素材を使う空間のインスタレーションなどを展開している。同じブラジルだと、リジア・クラークや建築のリナ・ボバルディらも、女性作家の幾何学表現に面白い人がいる。テートモダンでは、もうひとつクレーの企画展が開催されていた。1年、あるいは2年ごとに部屋を分け(全部で17部屋)、バウハウス、旅行、ナチスの台頭などの背景を受け、刻々と作風を変え、表現を実験していく作品の軌跡をたどる。訪れたときは巨大な吹抜けであるタービンホールでの展示はなかったが、ここでの巨大なインスタレーションを一度体験したい。

2013/12/29(日)(五十嵐太郎)

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