artscapeレビュー
アイチのチカラ! 戦後愛知のアート、70年の歩み
2014年01月15日号
会期:2013/11/29~2014/02/02
愛知県美術館[愛知県]
愛知県美の「アイチのチカラ」展を見る。あいちトリエンナーレ・ビギンズ、あるいはエピソード1と言うべき内容で楽しめる。当時の桑原知事の強い意向で、1950年代に県美の前身、60年代に県芸を創設し、続いて2つの芸大も登場した。戦後の蓄積があいちトリエンナーレを実現できる環境したことがよくわかる。『中日新聞』の酷評座談会によれば、愛知県にとって現代美術はよそから持ってきた、地域を疲弊させるものらしいが、この展示を見ると、自ら培った歴史と背景がある。特に奈良美智、杉戸洋、森北伸、小林孝亘らに影響を与えた県芸の櫃田伸也の絵が印象に残った。またあいちトリエンナーレも神田知事が始めたものだが、政治が文化にもたらす影響力の大きさがうかがえる。
2013/12/04(水)(五十嵐太郎)
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