artscapeレビュー
2014年01月15日号のレビュー/プレビュー
うさぎスマッシュ展 世界に触れる方法
会期:2013/10/03~2014/01/19
トリエンナーレが忙しくて、ようやく足を運んだ都現美の「うさぎスマッシュ」展。ジャンルを軽やかに横断するデザイン/科学×アートは、ここ数年増えている企画だろう。建築系では、AOM/OMAのEU国旗とシアトル図書館プログラム、震災と津波の記憶を未来に伝えるためのアトリエ・ワンによる世界遺産をコラージュしたドローイングが出品されている。以前、作品集で見ていたリチャード・ウィルソンのオイルを張った空間も体験できた。
2013/12/20(金)(五十嵐太郎)
吉岡徳仁 クリスタライズ
会期:2013/10/03~2014/01/19
東京都現代美術館 企画展示室B2F他[東京都]
都現美では同時にデザイナー、吉岡徳仁のクリスタライズ展を開催していた。最近の活動の集大成と、結晶による新作の絵画や彫刻などを紹介する。ぎらきらと輝くクリスタルのユートピア世界は、ブールノ・タウトやパウル・シェーアバルトのヴィジョンを想起させるだろう。さらにマティスの礼拝堂に着想を得た虹の教会という建築的なスケールのプロジェクトまで展開していた。全体を白で統一し、作品以外にも空間を体験できるインスタレーションになっていたのがよかった。
2013/12/20(金)(五十嵐太郎)
所蔵作品展「MOMATコレクション」
会期:2013/10/22~2014/01/13
東京国立近代美術館[東京都]
これまでに近代日本の歴史をたどる国立近代美術館の常設を何十回も訪れたが、特に関東大震災から幻の1940年東京オリンピックの頃までを見入る。現在と似たような時代と言えるからだ。当時、画家の津田青楓が、キリストの磔刑図のように、官憲による拷問で亡くなったプロレタリアート文学の小林多喜二と窓の外の国会議事堂を描いている。その後、津田も警察に連れていかれるが、再び繰り返して欲しくない時代だ。
2013/12/20(金)(五十嵐太郎)
ARCHITECTURE FOR DOGS 犬のための建築展
会期:2013/10/25~2014/12/21
TOTOギャラリー・間[東京都]
ギャラリー間の「犬のための建築」展。原研哉、アトリエ・ワン、妹島和世、トラフ、ライザー+ウメモト、藤本壮介らが、犬の空間を考える。実物大もあり、全体としてかわいらしい。犬で発想が変わるというよりは、それぞれの作風がよりストレートに表われる。なお、展示会場は犬の立入り禁止だった。
2013/12/20(金)(五十嵐太郎)
O JUN「描く児」
会期:2013/12/21~2014/03/02
府中市美術館[東京都]
出品作品は約150点。具象と抽象、線と面、水と油、モノクロとカラー、ペインタリネスとフラットネスなど、異質な要素をひとつの作品に同居させたユニークな絵が並ぶ。紙作品に鉄枠をはめたり,大胆にもほどがある。ところで、同展はO JUNの「30年にわたる歩みを総覧」するといいながら、実際はここ15年間の作品が大半を占めている。おそらく独自のスタイルを確立した90年代末以降に絞ったんだろう。ぼくはそれ以前の作品も見てるはずだが、記憶にない。だとすればなおのこと初期の作品も見たいと思った。
2013/12/21(土)(村田真)